最近ビル・ゲイツ氏の教育関係の記事をよく目にしますが、すごく真剣に教育のことを考えているんでしょうね。
ビル・ゲイツが考える世界一の大学はどこにある?
これから5年間、Webで世界一良い講義を見つけ出すことができるようになるでしょう。しかも無料で。それは、単一の大学で学ぶよりも、はるかに良いでしょう。
私はここ最近、教育のあり方というものについて、必ず梶川泰司さんの書かれたことを念頭に置くようにしています。
その文章をの全文を、ここに転載させていただきます。
教えること – 犬のしっぽ ブログ
最高の授業には最高の教師と最高の生徒が必要だ
という前提から入学制度が維持されている。
彼らは入学試験の難易度を誇りにしている。
最高の教育は、子どもが子どもを教えるプロセスにある。
教師も教科書もそれほど重要ではない。
宇宙についてほとんど知らないと言う前提が
そのプロセスを生成する。
宇宙の統合性について知りたいという要求が
しばしばこどもに新しい言語を生成させる。
その場面に教師が立ち会うことはほとんど稀だ。
この自己教育の経験が彼らの子ども時代にすでに
欠乏しているからである。
最高の教師(もしくは最高の教材)+最高の生徒こそが最高の授業を作るという発想は、多くの教育の場で見つけることが出来るのではないでしょうか。
私も新社会人の方向けにプログラミングを教えるという仕事をしていますが、受講生同士による学びあいや発見の重要性、テキスト至上主義による弊害は身にしみて感じています。
本来プログラミングなどの専門知識を学ぶには、自己教育+経験(フィードバック)こそが有効だと思います。
専門知識は、教師から生徒に向けた、テキストに書かれている言葉だけでは伝わらないことが多いように感じます。
学ぶ本人が、「自分が理解する」という意識をもち、そこを教師や教材がサポートするということが肝心ではないでしょうか。
それでも、中には自己教育の経験を持たないままに社会人になられた方もいて、テキストがあっても、教師がいても、はたまた受講生同士の学びあいの場をもたせても、「自分が理解する」ことを理解していない方は、一歩も先に進めないのです。
ゲイツ氏は、高校3年生までは物理的な学校が必要ということを述べており、大学というものが日本と海外では役割や性格が違っているということも含めると、Webこそが最高の「専門知識の」教育を提供するということを伝えていらっしゃるのだと思いますし、私も同意です。
しかし、Webを介した専門知識教育を享受できるのは、自己教育のすべを持っているひとだけではないでしょうか。
日本では特に、自己教育そのものを体得することが出来る教育体系になっていないと実感しています。
幼児から大人になるまでの間に、自己教育というものを経験できる世界になるよう、私もいつか何かの形で貢献できればと思っています。